レイアウトと動作空間
ヨーロッパでは“家具に合わせて家をつくる”とまでいわれているが、日本の住宅事情ではそうはかない。限られた広さの住宅で、いかに快適に暮らすかを工夫するのが知恵の見せどころだ。
そのためにはまず家具と家具の最小限の空き、人の動きに必要な最小限のスペースを知っておかなくてはならない。ここでは、それらレイアウトのポイントを簡単にまとめてみたので紹介していこう。実際の生活場面でよくある動作寸法、動作空間のサイズを見ていこう。
人の手足が動く範囲を「動作寸法」それに家具などのサイズとゆとりを加えたものを「動作空間」といい、ソファをデザイン重視で選ぶのではなく、室内のレイアウトを考えるときや家具を選ぶ時の基本であり基準となっている。
家具の寸法
家具などの大きさは、人の使いやすさが基本となって大体の大きさが決まっている。それぞれのサイズの特徴を見ていこう。収納家具
収納家具は「箱物」といわれるように、物を入れるという機能がポイントである。入れるものによって呼び名も異なり、特に奥行きにその違いがよくでている。
自分が何をしまいたいのかその大きさを考慮して家具を探すと効率のよい収納をすることができる。レイアウトするときには、ものの出し入れするスペースをとることを忘れずに。
入れるもの |
服(コートなど) |
服(下着など) |
食器 |
本 |
呼び名 |
洋服タンス |
整理タンス |
ダイニングボード |
書棚 |
間口(cm) |
60から180 |
60から120 |
90から180 |
90から180 |
奥行き(cm) |
55から60 |
45から60 |
35から47 |
30から45 |
高さ(cm) |
180から200 |
100から135 |
180から190 |
120から240 |
ベッド
ベッドのサイズのバリエーションはマットレスの幅の広さが基本となっている。長さはほとんど同じであるが、最近は背の高い人向けのロングサイズのものもレイアウトとして多く登場してきた。
空間のかなりの部分を占めるので、部屋の寸法と動作空間を考慮しレイアウトすることが重要である。またベッドの種類を知れば選び方も間違えないと思われる。
シングル |
セミダブル |
ダブル |
クイーン |
キング |
|
幅(cm) | 約100 |
約120 |
約140 |
約160 |
約180 |
長さ(cm) | 195から210 |
195から210 |
195から210 |
195から210 |
195から210 |
高さ(cm) | 45から86 |
45から86 |
45から86 |
45から86 |
45から86 |
マットレスの高さ(cm) | 29から50 |
29から50 |
29から50 |
29から50 |
29から50 |
テーブル/机のレイアウト
ダイニングテーブルとデスクについては、幅は一人のスペースを60から70cmは取るようにする。 4人用のテーブルならば、60から70cm×2人で最低120から140cmの幅のテーブルが必要になる。 ミニ観葉やミニ盆栽などのグリーンを置くようなスペースのゆとりが欲しい場合は加えて10cm〜15cmを見ておいた方がいいだろう。
高さは、椅子に座っての作業性から70cm前後が一般的となっている。リビングテーブルの高さは、ソファのシートと同じか10cmほど高いものがレイアウトとしておすすめだ。
ダイニング |
デスク |
リビング |
|
幅(cm) | 60から180 |
90から180 |
60から180 |
奥行き(cm) | 60から90 |
60から80 |
60から90 |
高さ(cm) | 約70 |
約70 |
30から40 |
イス/ソファのレイアウト
- 一般的な椅子のシートハイ(座面の高さ)は、食事や事務作業などをしやすいように40から45cmのものが一般的である。
ソファの場合はゆったりとくつろげるよう、シートハイが30から40cmくらいのものが多く、さらに低いタイプのものもある。
大人から子供までぴったりの家具にしたいなら、ソファ一人分の幅は大体65から80cmを目安とするといいでしょう。 最近ではゆったり座れるダイニングとリビング兼用のものも多く出回ってきている。その時のシートハイは大体38cm前後となっている。
座り心地を確かめるには実際の場面と同じように、靴を脱いで確かめることをお勧めする。靴を履いたままでは、かかとが高くなってしまって、家庭での感覚とは違ってしまう。
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Last update:2023/5/22